ヤベー奴来ちゃったよ編 1

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「ウワやっべチコクした!」

騒々しい家庭内暴言は久しぶりだ。私-…って名乗ろうかなって思ったんだけどまだ良いか。後で名乗るから(今チョーゼツメタいことを言ったよ)。とにかく私が叫びました。

ドタドタと騒がしく音を立て、息を切らしながら台所のドアを開ける。まるで「すごく急いでる!!」な表情で、喉から声にならないゼエゼエと痛々し気な空気の流れを排出して新しい酸素を取り込みながら、ダイニングテーブルの自分の席をにらみ上げる。

…特に意味はない。オカアサマが、うるさいヨと奥からだるそうに言うのが聞こえてくるので「子供ってのはこーゆーモンなのヨ、賑やかな食卓待ち望んでたじゃないノ」と冷やかしておいた。案の定そんなこと一言も言ってない、なる説教っぽいなにかが始まろうとしたのでごまかした。

「今日のディナーすっげー凝ってるねェ~」

耳に入った途端オカアサマは「ディナーじゃなくてブレックファストだ」だとか「嫌味なの?食パン焼くのは自分でやるのよ」だとか反応を返してくる。朝から騒々しいのはまるでオカアサマそのものじゃないですかって感じだが、それを言うと怒ります、人間って必要以上に煽ると怖いのよォ~。

「いっただきまーす!」

どっかでパン焼けって聞こえた気がしたかもしれないが、何しろチコク寸前ギリギリチャレンジ中なもので、焼いてる時間はないんだ。…なんつって、嘘だよ。チコクなんてしてたらとっくに家から飛び出してるっつーの。私は時間の逆算くらい朝飯前のすっばらしいヤツなのさ、大急ぎで家を出たことなんか無…あるわ。

中学の入学式に余裕ぶっこいて出発10分前に着替えればいいかなって思ってたら危うく遅れるところだった。セーラー服なんて一発でスッと着られると舐めてたあの頃。懐かしーゼ。

卵焼きを口に放り込みながら考える。今回はブレザーなんだぜ、ネクタイは学校で締める。校門前でピシってやってると、キマらない?(笑) …あれ、弁当あったっけ…。オカアサマに卵焼き美味しいねとお世辞まがいの発言をして様子をうかがう。この私の言葉に“お昼にも食べてね”っていうオシャレなマザーの回答が返ってきたら弁当アリざんす。

さあどうだ…!?ソファーに座って何をしているのかわからないがきっとスマホで楽天カードの申し込みでもしてるんであろうオカアサマの後頭部を穴を開けるつもりでガン見する。突然くるっと振り返ったかと思ったら、オカアサマは「もう無いワヨ」と一言だけ言って立ち上がり、弁当が要るとか要らないとか、そんな二択今更取り合いませんよ。言われても用意しないし。と言わんばかりにテレビのリモコンを手に取った。

私の口からは思わず愚痴がこぼれそうになるが、それを必死に押し込める。思考の逆転、考え方を変えてみるって大事じゃん?私はその考えの第一人者なんでェ、積極的に使いなさいってノーベルから言付け預かってんのよね~。

なにさ、ノーベルはもう天国行ったって?私がタイムスリップ出来ることを失念しておるようじゃな… ※できません

「1万円、貰うゼ~…」

一応許可を取ったことになるように声に出してオカアサマの財布を漁る。バレないようにテレビに集中しているかどうか確認しながら行うのがコツだ。ジッパーを静かに、でも出来るだけ速く開けるために私はトイレ行ってくるー!と大げさに宣言して台所から出る。

これで音漏れの心配がなくなったので我ながら凄まじい勢いで財布を開く。間違って小銭入れを真剣に開けようとしていたようで、ジッパーの向こうからはチャリンと金属の音が聞こえた。ついでに全部盗ってしまおうか、なんて考えたが、子供にお金を盗まれた!は認知症を疑われかねない。まだ介護したくないので小銭入れのチャックを閉じた。

要らない作者談

おはよう、明日も続きを書くつもりではあるものの、人ってすぐ記憶飛ぶじゃないですか。変なところで終わったので明日書く時困んねぇかなって不安なんですよ(笑) どうか覚えていますように。というか忘れてたらサイト行って確認してよね!自分!

…うまい具合にフラグを立てたことを忘れるのが一番心配…(笑)