ヤベー奴来ちゃったよ編 38

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「…なァ…………センセェよぉ…」

今まで自分がどんな顔してるのかなんて全く興味がなかったけど、今はちょっとだけ気になるね。私が本気で怒ったら怖いのか。怒っ”たら”の時点で今は本気ではないみたいだけど。演技派だからさ、結構いい線いってると、思うのよ。悪趣味でごめんねハハハ、でもさぁ、主人公私だから。一瞬だったけど名前の無い初対面にもほどがあるモブ子目線の場面があったことが許せねぇワ。主人公は私なんだよ!!

「席早よ教えろやッ!」

「さっさと名乗れや」

「ヤダ」

「いいんか?いいんか?ん?作文の宿題出されて家族の言葉丸写しして学校持って来るネタのオチみたいに職員室呼ばれていいんか?」

なんでこいつは急にハラタツキャラになりやがったんだ…。私とて勢い余って拒否するようなこと口走っちゃったけどさ、基本真面目ないい子なんだぜ?センコーの言うこと無視ってコウチョーに呼び出されるようなバカな真似はせん。なんたっていい子だからな、呼び出されるときはすんごく良いコトしたときか、逮捕レベルの発明したそのときだけって決まってんだよ。ハハハ、ノーベル平和賞は私のもんじゃあ!!

「…センセー、職員室じゃなくて校長室だぜ」

「強制的に日誌の刑に処すぞ」

「エェーテンコー初日なのにぃー?」

「それっぽくないからいいだろ」

なんだよその理屈は。テンコーセイっぽくしろってか。どーやって。いや確かに転校してきた人ってテレビの中ではとっても質問されて困ってるよな。…私質問されてねぇんだけど。質問されなきゃテンコーセイとして認めてもらえねぇってなら私じゃなくてここのクラスの人らに言えよ!

「(クラスメイトが)質問してくれたらテンコーセイに認定されるんですねわかりました」

「?…誰が?」

もはやタメ語で話しかけてくる馴れ馴れしい担任の声は聞かなかったことにして自己紹介をしてしまう。なにから言えばいいのかわからない、よくある自己紹介問題に直面しそうになったんで、何回か名乗って尺を稼いだ。合間合間に基本的なプロフィール帳のネタは挟んでおいたから十分なはず。

「とゆーわけで、キミらを私の支配k…じゃないネ、ダイジナダイジナ一番弟子にしてあげても良くってヨ。あと、ゼッテー質問しに来やがれ」

一通り名乗り終わったのでセンセーの方を向いて気付いたことがある。まだ誰も私の名前のつづりを知らんぞ、ということだ。善は急げなので許可を得ずにチョーク使っちゃう。白よか赤とか黄色のが目立っていいかんじなので今日の気分で黄色にした。決して、赤で名前書いたら死ぬっていう伝説だか都市伝説だかわからない伝説を信じてるわけじゃないからな。そんなもん怖くもなんともないっつの。ただ寿命は長い方がいいかなって今は思ってるだけですゥー、寿命短くしたくなったらめっちゃ赤で名前書きますゥー。
”左賀 翔”

「ショウはショウじゃなくてソラって読むんだゼ、間違ったら愛用のスニーカーで頭抉ル」

「エグルとか怖いこと言ってやんなよ…それとここ土足厳禁だっつったろ、早く脱げ」

「床きったないもん靴下で歩くなんて嫌ですー」

「じゃあ裸足で歩け」