ヤベー奴来ちゃったよ編 39

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「まともな思考が出来んようだな…ならいい。こちらも正攻法ではいかんぜよ」

…で、席どこ?って付け足しで訊いたらすんなり教えてくれた。どうやら特等席らしい。窓辺の一番後ろの最後尾の窓際。睡眠に最も適してるトコ、私のための席だよね、だって私大統領だもんね。やったね一番後ろだから黒板どれだけ見ても首痛くならないよロコちゃん!ア、眠。寝ようかn

「左賀ァ、今日中に靴どーにかしろヨー」

「どーにか、の部分を詳しく教えてもらわないと困りますねェ~」

「……」

しつこいのが嫌で根折れたのかな、突然なにも言わなくなってしまった。ため息の一つでもついたらいいのに、こんなときに限って何も反応がない息すらしてないんじゃねぇかってモードに入るのがかまってちゃんの常套手段だ。私もまれに使う。記憶には残ってないから具体的にいつ使ったか紹介できないのが残念だけど、使ったことある。たぶん。

それと、黙りっぱの担任教師はやっと覚悟が決まったのか、クラスメイトたちに自習、と告げて出て行った。ついでに私には席着いて待っとけって命令口調で言ってきやがったからもう一回スリッパ投げつけといた。

横からかわいそう…って囁きが聞こえてきた。なにがかわいそうなのか考えて、思い当たるのは

「だよなァ!誰のかわかんねーケド、このスリッパかわいそうダヨナ!」

「投げた張本人じゃん…」

「私に責任押し付けないでヨ、このスリッパ自分から飛んでいきたいっつったから手助けしてやったんだぜ」

「…そう……」

ドン引いてんじゃねェよ。なんか私がワルモンって言わんばかりの視線攻撃を食らい始める予感がした。悪寒が走った。眠気も一緒に吹っ飛んでくれればよかったのに、それはなかった。やっぱ眠い。最高席着いたら寝ーちゃお、スニーカー脱げって言われたことなんかガン無視してトランクを引きずる。階段上る前より重くなってる気がした。

タイヤ取れてたもんなぁ…。

何事もなく席まで行かせてくれたらいいのに、そうならないのが運命なのか、私は人生初のナンパに遭遇した。つーか私がナンパされたんだけど。やる側だと思ってたんだけどなぁ、私モテんのかなぁ…。それならいいか、気分は悪くない。
さっきハンカチのコップ折りを教えてやってた女子だ。それとこいつは何故かわからんがアベックに絡んでた私を引っ張って邪魔してきやがった奴だ。正義感かなんかのたまものカナ?今はそんなこと言ってられんがな。

「ねぇ、ソラ、久しぶり」

「………エ?」

大混乱だ。ナウ大混乱。私の頭はじけ飛びそうヤッベェ。マジでまんまナンパする人いるんだね、噂で聞いたことあるよ、前に会ったことありませんか?つって絡んでくんだって。怖くない?記憶にないやつ話しかけてくることですらすでにコエェのに。知らないよ知らんっつーのていうか名乗れよ!せめて名乗って「怪しくないですヨ」とでも言ってから始めなさいよナンパをよォ。

「ンー、知り合い?」